10万人対50人の幻想を棄てることから始めよう
患者人口
1984年から歯科医の悲劇が始まった
さまざまな論文で歯科医師過剰の指標として人口10万人対歯科医師数50人という数字が使われます。
この数字は常用労働者の労働時間を参考に試算したもので、歯科医師の取扱患者数の最適数は23人とされています。
この仮説の変曲点は1984年に遡ります。
つまり歯科医師1人の取扱患者数が減少へ転じた年、歯科医師にとっての悲劇が始まったとされる年が1984年です。
人口は確かに需要構造を規定する基本要因です。
しかし、定量的視点から離れマーケティング思考からみると、10万人対50人の数値=仮説は実に隙間が多いのです。
持続成長的視点を持つ
- 人口構造の高齢化は歯科医療費を押し上げる
- 疾病構造の変化によりカリエスからペリオへ受診がシフトする
- 歯科医療の技術革新、接着材料等の進歩が審美治療を創出する
- 所得、消費水準の上昇から歯科医院のサービス業化が加速する
- 国民の健康意識の向上から「予防」という意識が芽生え新たな需要を創出する
- 医療法広告規制の緩和とインターネットの普及により歯科医院からの情報発信の増加が見込める
このような視点が相互誘発的に作用して新たな歯科医療サービスの需要を創出し持続的成長の戦略を考える事、その行為がマーケティングです。